HAIGATO-EDGE-
解説と考察
ハイガト2の時と同じようにQ&A形式でわかりやすく解説!
この事実を知ると「EDGE」の見方が変わってくるかもしれません。
HISASHIによる完全描き下ろし。第1空挺師団3兄弟
<トロム機関のある世界ってどういう所なの?>
簡単に言うと四次元の世界です。我々が今住んでいる次元が3次元であるなら、ハイガ伍長達は時間の概念そのものが異なる四次元世界の住人です。だから三次元世界の時間の事を度々「ヒト概念時間」と呼んでいました。四次元世界から我々の住んでいる三次元世界に時間と時代に関係なく干渉し関りを持てる、裏次元の存在であり、三次元世界の一部の人間だけがその存在を知っていて、上手く利用しているといった設定になっています(少なくとも「Drizzle」からはそうなっている)。裏次元にいる人間は人間ではありますが、三次元に生きている生物とは何かが少し違うみたいです。
裏次元内では現在、三次元世界で起きた第二次世界大戦を機に大きな内戦が起きているようです。
<ではその裏次元世界は人間の世界でいつの時代くらい?>
少なくとも「HAIGATO」シリーズからは1940年代です。第二次世界大戦中の時期ですね。ハイガト無印でジョシュアが登場してきたのもこの頃でした。電話や無線はあるけど携帯電話はありません。そして手紙が主流です。勿論電気はありますが、まだ懐中電灯よりランタンを使ったりちょっとした部屋の灯りに蝋燭を使ったりします。
街や建物の様子は、基本的に1940~50年代のイギリスの街並みをしています。街では自動車や蒸気機関車が走り、軍隊では自動車両の他に軍馬を使っています。
しかし科学力や技術力は稀にSF的なところも見受けられるのがこの世界独特。医療技術も高いため、戦場での外科移植手術が実施されたと見られます。
トロム機関第3基地の所在地はフェドーシャという地名が判明しています。フェドーシャ駅にも蒸気機関車がやってきますが、この汽車は時空を超えて運転されているようです。この汽車が他の世界とを繋ぐポータルのような存在なのかもしれません。
ゲームで出てきた写真が鮮やかなカラーだったのは、その方がゲーム的にわかりやすいからという理由であり、本当ならまだ白黒写真の時代です。テレビの映像もモノクロです。
人々の倫理観や死生観も戦時下のものである一方、価値観などは今を生きる我々と同じようです。
<本当に全部フィクションなの?>
一部事実を基にしているノンフィクションな部分がございます。以下がそれです。
①第二次世界大戦についての説明
②第二次世界大戦時にあった兵器や乗り物の存在
③臓器移植で死体から移植できる部位
④ホルマリンの効果
⑤軍医の階級が最低でも大尉(医療に限らず、専門的知識を持つ軍人に対する対価として階級が高くなる。108偵察部隊も年齢の割に階級がやや高めなのは技術者だから。)
⑥第1空挺師団のモデルは第101空挺師団(101st Airborne Division)。アメリカ陸軍の師団の1つで、ニックネームはスクリーミングイーグルス(Screaming Eagles)。
⑦副官部、参謀部などは日本の陸軍師団に実際にあった師団司令部構成。
<本当に過去作ゲームと世界線が全く違うの?>
いいえ。全く違うという事はありません。今作は漫画版から地続きとは言っていますが、「ハイガト2」の「帰還エンド」だとハイガは108部隊を振り切ってトロム基地に無事帰還します。そしてそのまま「次の任務に就く」と言っているのです。
つまり「ハイガト2」の帰還エンドからそのまま「HAIGATO-EDGE-」に繋がり、「ホワイトフォックス」が発生しなかった世界線でもあります。
その場合、ハイガ伍長には「ハイガト」「ハイガト2」「ロミーとクリスマス」の記憶がある事になり、ストーリーも綺麗に繋がります。どちらかと言うと「EDGE」のハイガはゲームシリーズのサザメキやマガミ、ジョシュアの事を思い出していました。
制作サイドはむしろこの「ハイガト2・帰還エンド」から繋げる気持ちで開発していました。PRの際は分かり易いように「漫画版の続き」という言葉を使っていますが、帰還エンドも漫画版もどちらもハイガが基地に戻ってきて次の任地へ向かうという共通の終わり方をしている為どちらでもいいしどちらでもあると思ってください。我々はそう思っています。
帰還エンドから続く場合も、ハイガの正体は不明のままであり、元少尉であった事も語られません。「EDGE」 でハイガ伍長の設定が若干変更されましたがそれについては後述します。
過去作ゲームと繋がりがあれば、ハイガ伍長だけではなく、他の既出キャラクター全員も過去作と同一人物であると考えられます。過去作で積み上げてきた「ハイガト」の歴史の上に今作も成り立っているとお考え下さい。
<ハイガ伍長があまりクールではない?>
そうです。プレイヤーが感情移入しづらいという特徴が旧作からあるように思われたので、もっと砕けて人間らしい性格になっています。漫画版のラストで笑顔を見せていましたが、今作でもクーロ&キズルの兄弟漫才に笑ってたと思います。
かといって旧作のハイガと性格が違うのかと言えばそんな事はありません。旧作のハイガはクールに立ち振る舞っていただけで、中身はこんなんです。今回はトロム機関の身内事だったので素の状態が続いたと思われます。ハイガ伍長は過去作から設定こそ変更になった所もありますが、今までと同一人物だと思って頂けると嬉しいです。そうであった方が、ハイガ伍長というシリーズの主人公に思い入れのある我々スタジオ六が幸せでいられます。
トロム機関の内部構成がハッキリした今、ハイガ伍長の設定変更はより単純にわかりやすく、実際の軍隊の階級制度に基づいたものに修正したかった意図があります。
ハイガが口にした「家族絡みの仕事」というのは、ハインチェ家の事件と、クリスマスに出会った黄ヘルのおじさんとラチェレの事でしょう。
ついでに、ロミーもさらに男の子っぽい口調になっています(というかハイガの口調が移ってきた)。
<エステラはいつからハイガの事が好きなの?>
「好き」という恋愛感情かは本人もよくわかってないと思いますが、実はハイガト無印の頃から「この女の子はハイガが好きだろ」とろくDが言っていたので、発想自体は初代からありました。
しかしエステラの登場が少なく、それを示唆する台詞やシーンをいつまでも見せる事ができませんでした。今作でおそらく彼女は初めて命の危機に瀕し、自分の抱いていた想いにハッキリ気付いたのではないでしょうか。ちなみにエステラがキズルを嫌っているのは病院での事は関係なく、ただ嫉妬しているからです。
いずれにしてもスタジオ六はラブロマンスが得意ではないので、この辺の事は今後あまり気にしなくていいと思います。
<本当にあのクーロが昔は優しかった?>
厳密には「優しく振舞うのが上手」だったのだと思います。キズルと同じでずっと猫を被っていました。
しかしカーゴヤーゴを機に彼の本性が露になり始めます。
<クーロの弟3人も性格がヤベエの?>
いいえ。実はクーロとキズルが異常に凶暴です。似た者同士が生き残り、割と性格が優秀だった3人が亡くなるという悲劇が起きています。
しかしそれなりにクーロに似ている所があると思うので、あの2人に比べればまだマシ程度に思ってください。
<ハイガ伍長とリュッツ伍長の類似点?>
ハイガがキズルの監督になるに際して、ハイガが亡き兄の1人に似ていれば、キズルも心を開きやすいだろうという配慮でリュッツとハイガには多くの類似点がある事になりました。
髪の色や目の色は違いますが、髪型、身長、血液型、階級、性格、趣味などが同じです。
さらにリュッツの享年はハイガ伍長の現在の年齢と同じです。こんなに似ているとほぼ色違い状態ですね。
<苗字は無いの?>
苗字という概念が無い世界らしいです。兄弟として登場してきたキャラクターはクーロ達が初めてなので、今の所5兄弟で通じているので呼ぶのには問題ない状態です。
<キズルは何歳なんすか?>
それが判明するとクーロや他3人の兄弟の年齢、ハイガとエステラの年齢もだいたい割れるため明かせないそうです。
しかし彼らは我々とは少し違うニンゲンまたは時間軸である事から、あまり年齢を気にしないで欲しいそうです。ただ、20歳以上だとキズルに「おじさん、おばさん」扱いされてしまうようです。(自分の兄弟は例外)
ロミーは、「ロミーとクリスマス」で成人しているような事を言っていました。ロミーオジサン!
<弟思いのクーロがなぜキズルに対して少々乱暴なの?>
5兄弟のバックボーンはしっかり決まっており、そこには大きな理由があります。
まずクーロとキズルの年齢が10年離れている事から、少なくともクーロが10歳になる頃までは母親が傍にいたと思われます。しかし母親はキズルを身籠っている時期に夫が戦死したため、そのショックでキズルを早産します。このためキズルの体は小さいのです。母親は早産の際に亡くなってしまいます。つまりキズルの命と引き換えになってしまいました。クーロは大きなショックを受け、キズルのせいで母を失ったと思いたくなくても思ってしまうようになります。クーロにとってキズルは最愛の母との別れを連想させる存在になってしまいました。キズルは両親の顔も愛情も知らずに育ったためあのように抜きん出て捻くれています。そんなキズルを愛せる自信が無かったクーロですが、今回の事件でその辺にケリがつき、たった一人残った家族であるキズルを守るために生きようと目が覚めるのでした。だから最後に「良い仕事をする」とハイガを褒め称えます。
キズル自身は何も救われていないなどと最後に言っていましたが、しっかり救われていたのです。
ところでキズルがクーロに幻覚を見せたり兄弟の瓶を発見して持ってこなければ今回の異形騒動は到底解決できないものであり、早くもキズルとハイガの連携プレーが発動していたと思われます。
<次回作が出るとしたらハイガとキズルがバディなの?>
そうとも限りません。ハイガとキズルが組んだ経緯には理由があります。下のオマケを是非ご覧ください。
オマケ「EDGE」の試作品
HAIGATO-EDGE-の前に実は試作品の存在がありました
新作ハイガトとして試作されていたのが、こちらのゲームです。最初からキズル准尉がサポートとして共に行動します。
舞台は廃村で、キズルの描いたヘタクソすぎる地図を頼りにしながら広範囲に探索するというホラーゲームでした。また、キズルの水晶玉はここでは占いが出来、度々占ってもらえるシステムでした。ノベルゲームではなく、画面上の行きたい場所、調べたい場所を直にクリックしながらゲームを進めるアドベンチャーゲームでした。
しかし、マップが広大すぎて大量に背景をお借りする事が困難と判断し、病院のみという閉所に舞台が変更されました。変更に伴い、キズルがハイガと組む以前の物語になりました。ちなみにこの試作品は完全に没作品なのでここでお蔵出ししています。
ハイガが「すげえ森」と「やべえ森」の違いがわからねえ!と言ってキレてたシーンだけ印象的に残ってます。